恩廻公園調整池トンネル
神奈川県の防災用トンネル。
外は25度近くあるが、中は12度と肌寒い。
地球環境の変化、ゲリラ豪雨、川の氾濫に対する施設整備。
何年も住んでいる地域なのに知らない世界。
一般公開はされてないが、団体予約をすれば県の担当者が対応してくださる。
この神秘的な環境は、フィルムコミッションでも使われていた。
最近では、映画「翔んで埼玉」のロケ地なったとのこと。
別の意味で観たくなった。
地域を知ること、奥が深い。
昭和10年代の旅
旧公衆衛生院の保存と再生
戦前の空間保存をゴールにしながら未来を創造していくこと。
使われた素材の意味、文脈を整理するだけでも仮説と検証が必要である。
外装、内装、建物全体に使われた泰山タイル。
池田泰山の歴史。デザイン力とともに、当時の製造、搬入、施工の大変さが偲ばれる。
同時期に、何棟もの歴史的建造物の部材にも採用され施工さている。とんでもない量であったろうが、手の込んだ技を難なく行なっていることに恐れいる。
タイルだけ見ていても何日もかかりそうだが、
次の人研ぎ石と大理石と続いていく。
床についている使われていた当時の傷、汚れ跡からも、部材を採用した意味を探る。
昭和10年代の旅である。
歴史的建造物の保存再生
旧施設のソフト&ハード、過去を知ること。
そして生まれ変わった施設のグランドデザイン、未来を感じること。
第一線の設計、施工者だからこそできるプロジェクト。
ソフト面についての考察はまだまだこれからであるが、
ハード面は空間の中にいれば目に入り、疑問と発見を繰り返す。
こうした歴史的建造物の再生は、新築以上に総合力が必要とされる。
落とし込まれた現場の工夫、判断に唸ってしまう。
保存第一の耐震補強、設備計画そして未来創造。
おそらく、世界的に見ても高レベルの保存再生技術ではなかろうか。