【不思議な愛用品】

何種類かある爪切りで、どういうわけか馴染むのが、つたや旅館の記念品。
どこにでもあるものだが、必ず探してこれを使う。

文京区本郷にあった旅館つたやは、都心らしくなく、地方によくある駅前旅館と錯覚しそうな佇まいで、20-25年前くらいに宴会や研究会で"昭和空間"を好んで使わせていただいていた。

検索してみると、戦後の1947年(昭和22年)に下宿屋から創業という。2011年に「東日本大震災の影響で修学旅行生や観光客の激減の直撃を受け閉店」とある。2012年に解体されマンションに。 震災の影響もあっただろうが、いずれにしても時代の流れであろう。 

最後に訪ねたのは15年くらい前、まちづくりメンバーでの懇親会だったように思う。 東京にあるクラッシックな設えに皆さん驚かれていたのが記憶にある。 

爪切りはおそらくその時に女将さんにいただいた。
あれから爪切りをする度に、つたや旅館へまた訪ねてみたいと思うばかりだった。

桐の葉の紋が入った不思議な愛用品。