【生ききる力】

98歳の叔母。昨年11月に過ごしていた老人ホームで転倒。大腿骨骨折。

手術後リハビリを行なっていたが、体調を崩し、急性期から慢性期の病院へ転院。

食が細り、栄養摂取を鼻からチューブで送っていたが、胃ろうを促される。

元気な頃から本人は胃ろうはしない、したくないの意思表示をしていたが、「しないのなら、すぐにでも退院して欲しい」と、病院主治医から告げられる。しかし、鼻から栄養補給状態で老人ホームへ帰ることは受け入れられず、かといって87歳の母親が引き受ける老老介護をすることはできない。3月、本人の意思に反してやむなく胃ろう手術を受ける。

その後、朦朧とする状態のまま一日中眠り、胃ろうにより栄養が供給される。

3ヶ月が経ち、特養の順番が回ってきて引き受けてもらえることになる。状態は変わらず朦朧としたまま寝たきりである。

退院するにあたり主治医に挨拶をさせていただくと、

「胃ろうをしなかったら特養も受けてくれなかった。はっはっは」との見解。

老人ホーム→転倒骨折→手術→リハビリ→バイタル低下→胃ろう→100日→特養→

本人とすれば、全く想像していない展開。

元気な頃に「生きるのは難しい」「死ぬのも難しい」と、何度もささやいていた。

胃ろうをせず、栄養が摂れぬままであったら、今の体調及び特養入所とはならなかった。しかし、寝たきりで特養入所が望みであったわけではない。

まして、どんな状態であっても100歳を迎えることを望んでいるのではない。

本人の意思、医師の方針、独居の受け皿、在宅医療が不可能な入居施設、、、優先順位がわからなくなる状況。

特養で、時々つながる意識、発する言葉が幸せなものであってほしい。