【祭りの後の空虚感】

静かな朝。

どこからか聞こえてきた応援の声は、もう聞こえない。サッカーワールドカップ、日本惜敗。

あと一歩のところまで行けたが、超えれない「何か」がやはりあるのであろう。この大会でよく耳にしたのは「成長」という言葉。そして、「このチームで」。以前の大会では、「一人ひとりのレベルアップ」や、「世界の壁」のようなことが語られていたが、今大会では聞こえなかった。殆どの選手が海外でプレーをし、日常的に世界と向き合っていることや、情報の分析力がアップしていることなど、理由はたくさんある。確かな道程を歩んでいる。これは、監督が変わろうが変わるまいが、組織として向き合っている証である。あきらかに「個人の成長」から 「チームの成長」へと、次の段階に入っていた。日本人は段階が上がるほど「チームワーク」「一体感」という力が発揮される。個人が全体として機能する瞬間がたくさんあるほど強くなる。次の4年間は「何か」を感じ、超えていくプロセスとなる。2022カタール大会。32チームで行われる最後の大会。「何か」がわかり、ここで「歴史」が変わるのかもしれない。

試合終了後の長友選手のインタビューだけが、妙にここに向いていたように感じる。

(折しも大会中にガラタサライ(トルコ)への完全移籍が発表された。)